世間ではニンテンドースイッチ2が発表された。個人的には非常に欲しいと思った製品である。
一方、世間一般では転売対策が素晴らしいというのが通説となっている。しかし、個人的にはそうは思わないのでその理由を解説する。
なぜ転売が起こるのか

転売は需要と供給で決まる。
これは個人的にミニカーの趣味を通じて感じていることではあるんだけど、欲しいと思う人が世間にある物の数より多ければ、転売の下地ができる。欲しいと思った人がそれに対して転売価格が妥当だと判断すれば転売が成立する。
Switchの場合

転売について詳しくなるためにはSwitchはとても良いお手本とも言える例だった。
Switchの発売時は転売は盛んではなかった。
というのも発売当初である2017年は品薄ではあったんだけど年内に解消したという事情がある。
つまり、最も売れるだろうクリスマス商戦の時期でも需要と供給のバランスは取れていたと言える。
2020年の新型コロナウイルス

任天堂の需要と供給の読みは素晴らしかったんだけど天災までは予想できなかった。
新型コロナウイルスによって緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発令されたため、外出自粛要請が行われた。
娯楽が制限される中でゲームは数少ない娯楽となった。そのため、ゲームの需要が高まった状態となった。
巣ごもり需要とあつまれどうぶつの森のヒットによって売り上げが増加したんだけど生産の問題もあって需要と供給のバランスが崩壊した。
「後でもいい」が通用しなかった。
今すぐにSwitchが欲しいという人が増えたため、今すぐ手に入るという付加価値に対して、転売価格が妥当ならば転売が成立する。という状況となった。
後から定価で買うことは可能であるにも関わらずだ。
Switch2の場合

Switch2の転売対策として挙げられるのは、マイニンテンドーストアでの抽選販売とリージョンロックだろう。
マイニンテンドーストアは限定的
マイニンテンドーストアは確実にSwitchユーザーに買ってもらうことができるが抽選である。
抽選には参加には条件があり、初代Switchソフトのプレイ時間が50時間以上であるなどの条件がある。
また、基本的には家電量販店やネット通販で購入する人が多いと思われるため効果は限定的だと思う。
ゲームもするけど転売もする人間には当選確率が上がるだけである。
リージョンロックについて

リージョンロックとは日本のユーザーアカウントのみ連携できるものである。また日本語のみの対応となっている。
PS5がグローバル版を日本で安く売ったため海外に輸出されているんだけど、基本的に中国に輸出されていると言われてるんだ。そのため、日本専用となれば輸出されないというわけ。
中国人もオリジナルバージョンで遊びたい。

中国人にも事情がある。中国は政府による表現の規制が存在する。
かなりの表現規制されるほか、そもそも販売されないソフトも存在する。そのため中国版の本体ではなく、高い値段を出してグローバル版で遊びたいというわけ。
幸いソフトはオンラインでダウンロードされるため、日本では本体のみが売れるという歪な市場となる。
日本専用は確実に効く

「オイオイブログタイトルと違うじゃねーか」と言われると思うんだけど、日本専用49,980円は確実に日本の消費者を大切にするという意思表示であると思う。
物価高、円安の中で任天堂は消費者に対して最大限に向き合っていると言える。
そして、日本語という極めて難しい言語特性から転売対策として有効であると言える。
同じ過ちを繰り返さないという意思

任天堂の転売をさせないという確固たる意思には、賞賛を送りたい。
このような点からSwitch2を転売するのは難しいだろう。グローバル版を除いて。
グローバル版は無理

販売地域を見てほしい。アジア地域(中国を除く)である。つまり中国では正規品が買えない。
発売は無期限延期で事実上の中止だ。
つまり需要があるんだけど供給がない状態。
買えなければ輸入するだけ

大体、わざわざPS5を日本から輸入して使っていた中国人が、国内で販売されないからといってSwitch2を諦める訳がない。
グローバル版の価格は同じ
グローバル版は高いと思うかもしれないが海外でも日本でも値段は同じ。なら輸送コストを考えて日本から中国に転売する。
2025/4/9追記
トランプ関税によってアメリカの販売価格の値上げが予想されている。よってさらに日本からの転売が加速する可能性がある。
グローバル版は幻に

ということでただでさえ少ない入荷数であろうグローバル版は中国に輸出されるため、幻のポ○モン並のレアリティになる可能性がある。
疑問点

Switch2の対応言語が16言語なんだけどその中に中国語がない可能性があること。
しかし、全世界の華僑の人口の多さから含まれていると思われる。
一方、中国人の高所得者層の英語ができる人口が多く、あまり関係のない可能性もある。
これに関しては続報を待つしかない。
日本人には関係ない話

ここまで色々と語ってきたけど、そのもの大多数の日本人は国内版を購入するため関係がないんだ。
だからグローバル版を転売されても影響は軽微であると言える。
発売すぐの転売はあり得る
とは言っても、発売すぐは需要が大きいため供給が追い付かなければ転売が発生するだろう
グローバル版を犠牲にして転売を防止する戦略
個人的にはグローバル版を作ることで日本国内の非日本語母語者達に配慮しているという姿勢を見せるとともに、それを転売させるという高度な戦略であると感じた。
今までの転売の通説
ちなみに今まで転売の例に使われてきた水道の話があるんだけど
水道の通ってない地域に水を売りに行くのが小売店だとすれば
水道が通っているにも関わらず水道管を切断して 水を売るのが転売ヤー
皮肉にも転売ヤーが小売店の代わりを果たすことになると思う。面白い。